先輩剣士の初稽古までの日々
ためらいは何の得にもならない!
現在 無外流居合道 教士七段となったMさんに、居合を始めるまでについてお聞きしました。
調布駅前場所で稽古をするMさん
人生の半ばを過ぎた40代前半の頃、ふと何の趣味も持たない自分の定年後の姿を思い浮かべることがありました。
妻はテニス、娘はバレエに忙しくしているのに、自分は年に数回ゴルフに行く程度。会社を辞めたらゴルフも行かなくなるなぁ、日々暇を持て余し、家族から疎まれることになるのかなぁ、と。ある日曜日、そんなことを漠然と思いながら新聞を見ていると、なんと”無外流居合”の文字が目に飛び込んで来ました。某全国紙の記者が様々なことにチャレンジし体験記事としてまとめた特集でした。
ちょうど、池波正太郎の剣客商売をほぼ完読したばかりでしたので、まさにその無外流を教えてくれるところがあることに驚きました。
それに秋山小兵衛の無外流なる流派はフィクションだとばかり思い込んでいましたので、それが現実に存在していて現代でも学ぶことが出来る、しかも会社帰りに寄って稽古できることを知り、これだ、これしかない。ためらってはダメだ!と即座に見学を申し込みました。
元々私の家には実際に曽祖父が差していたという日本刀があり、私は幼いころから目にして強く惹かれていたので、そうしたことも、これだと思った動機にあったかも知れません。 数日して地下鉄有楽町線の某駅近くにあった稽古場所へ見学に行き、即入会の手続きを取りました。
静寂の中にヒュッと響く刃音が何ともカッコよく、早くやりたくてウズウズしたのを覚えています。
あの時から19年経ち、60代になりましたが、つくづく続けて良かったと思っていますし、70代、80代の先輩方が稽古されているのを見て、一生続けられる趣味の素晴らしさを痛感しているところです。
少しでも興味をお持ちの方、ためらいは何の得にもなりません。 是非一緒に稽古しましょう。
現在 無外流居合道 教士七段
居合道会国際大会戦績
2006年 初段の部 準優勝
2014年 五段の部 準優勝
2015年 五段の部 準優勝
2018年 六段の部 3位
2019年 六段の部 3位
2022年 七段の部 準優勝
2023年 七段の部 3位