財団法人無外流所属 剣新会

東京場所:高島平/東板橋/調布市/東久留米,埼玉場所:所沢市

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先輩剣士の初稽古までの日々

「居合」は、我が生の支え

現在居合道弍段となったTさんに、居合を始めるまでについてお聞きしました。

高島平場所で稽古するTさん

どのような経緯で「居合」の道を歩むことになったのか。
学生時代には、少林寺拳法を友人とスタート。その後「太極拳」「八卦掌」「形意拳」「少林拳」などを経験。この頃から一層「武道」に惹かれる様になりました。「中国武術」の道場で知り合った今は亡き友人は、「手裏剣」「鎖分銅」「棒術」などのポイントを教えていただいた師でもあります。彼との出会いから「型だけの武」を求めず、合わせて「坐禅」の基本を教えていただきました。
63歳を迎えた時、顧客から日蓮宗の寺院(徳川家由縁)を紹介されて「参拝」もスタート。「仏と向き合う心」を求めて8年が経過しますが、一時間ほど参拝した後は清々しく、外に出て大きく呼吸すると「一呼吸ごとに心身が、空っぽになる。」のを感じます。

過去に両親、友人、知人の「死」と直面し、悲しみに落胆したこともあります。
今はわが身も「死と向き合う年齢 71歳」ですが、70歳前に「もう一度、武道を再開したい。」という気持ちが頭を擡げ、思案の末に69歳の時に一念発起。
「武道は継続したいが、続けることができるか?」「自分にできる武道は何か?」空手、合気道など検討しましたが、 体力的に相当きつい稽古になるだろう、と自問自答を重ねて、行きついた武道が「居合」です。

高島平場所に初めて見学にお伺いした時「これだ‼」と決心。いくつかの「居合教室」を調べましたが、迷っていては始まらない。「自分を追い込まなければ、現状の人生で終わる。」と思い、即刻に入会。T先生と知り合ったことが、まさに幸運だったのです。「これも縁と出会い」の賜であり、わが身の一つの柱を決定づけた瞬間でもあります。
入会時は、袴も付けられずにネット検索。先生の教えも真似るだけで精一杯であり、幾度繰り返しても思い通りの動きはできません。毎日、自宅で自稽古を行い、自己チェックをしても簡単ではないのです。どのようなことでも毎日、自問自答、稽古を重ねなければ満足のいく形は実現しませんが、スランプに陥っても諦めないことが最も重要であることにも気づきました。

「居合に何を求めるか。」は、個々人の考え方により大きく異なります。年齢によっても異なります。趣味として稽古を重ねるか。本気で心身の成長を考えて行うか、によっても取り組み方が全く異なってきます。私は、可能な限り、稽古場に通い、稽古時間より1時間前から同じ形を繰り返すこともあります。先生に、何を質問していいのかも分からずに先生から指摘を受け、やり直すことが多々あります。
「職人は、先輩を注意深く観察し、技を盗むことが重要。」と言われます。武道も同じことが言えます。チラ見でも良いので、先生の動きを観察することです。

今日、「家族を守ること」「亡き方々や動物たちに対する追善供養」。そして「居合」の3つを人生の柱と決め、歩んで行こうと考えていますが、目的は「我が魂の行き着く場所」を見出すことです。人と人。人と動物、人と植物、人とモノ。どのような形の出会いであっても天が与えてくれた「縁」であり、出会うべくして出会った人たちは、自分の人生を変えてしまうほどのエネルギーを秘めています。
そのエネルギーを心に感じた時、我が心身のあり方を振り返り、自分を信じて歩み始める気持ちこそ新しい道への起点になると考えます。

「居合は、禅である。」とも言われます。禅は「超能力開発」の方法であるとともに「悟りを啓く」方法でもあります。この悟りを啓くには身体に備わっているエネルギーの根源を啓くことに他なりません。
「悟り」を啓いた瞬間から再び「原点」に戻りますが、それは元の「原点」ではなく「原点+α」であり、新たな修行の始まりでもあります。これを繰り返しながら修行するのが「禅」です。「居合」を「禅」として解釈するならば、例えば「初段」を認可された瞬間から段位に自惚れずに「原点+α」を求めることを怠らないことです。その心構えが芽生えてこそ、その瞬間「初段」ではなくなり、一歩上を行く初段となります。即ち、「初段」の上は「弐段」ではないことを肝に銘じる必要があるのです。
「居合」は決して派手な武道ではなく、どちらかと言えば「地味」ですので「強くなりたい。」という人には相応しくありません。何に対して強くなりたいのか、想像は付きますが、そのような心の持ち主は他の武道を求めるべきでしょう。
今の社会にも敵は数限りなく存在しますが、腰に刀を携えて歩くことはできませんし、斬りつけることもできません。最も厄介で最大の敵は?「敵は、我が内に在り」。「居合」は、新しい自分を発見する一助になると考えています。

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